バルトレックスは副作用が少ない医薬品ですが、それでも副作用は生じます。
副作用の中でも軽視しても良いものと、見過ごしてはいけないものがあるのです。
この記事では、バルトレックスの副作用について詳しく見ていきましょう。
- バルトレックスでよくある副作用
- バルトレックスの稀な副作用
- その他の副作用
バルトレックスでよくある副作用は頭痛
バルトレックスの臨床試験では、さまざまな副作用が報告されています。
バルトレックスの適応がある疾患(単純疱疹、帯状疱疹や性器ヘルペス、性器ヘルペスの再発抑制)ごとに、起こりやすい副作用について、簡単にまとめます。
単純疱疹
まず単純疱疹の治療にバルトレックスを用いた場合、全体の16.1%に何らかの副作用が起きたと報告されています。
最も多いのが頭痛ですが、その割合は全体の2.8%とそれほど大きくはありません。

造血幹細胞移植患者に対する臨床結果については、副作用の報告はありません。
帯状疱疹や性器ヘルペス
帯状疱疹や性器ヘルペスの治療に対しては副作用が発症する割合がやや高くなります。
帯状疱疹が全体の21.4%、性器ヘルペスは29.2%です。
帯状疱疹の副作用は、肝機能や腎機能の数値の悪化なのが主な症状です。性器ヘルペスについては頭痛の割合が高くなります(9.6%)。

性器ヘルペスの再発抑制
性器ヘルペスの再発抑制を目的とした場合は全体の3.3%、水痘については1.6%の副作用が報告されています。
おや?と思ったら気をつけたい、稀で重い副作用の症状
バルトレックスの服用で起きやすい副作用は、頭痛など比較的軽いものばかりです。

バルトレックスの重い副作用として挙げられるのがアナフィラキシーです。
アナフィラキシーは発症する頻度が不明となっています。
この他にも呼吸停止や間質性肺炎などの呼吸器系のトラブル、肝炎などの重大な副作用についても頻度不明です。
臨床試験における発症の頻度は0.05%と極めて低いですが、血小板減少にも警戒が必要です。血小板が減ると血液が固まりにくくなります。このほかにも血液の成分(ヘモグロビンなど)が減少する報告もあります。
これらの精神神経症状は、脳症を伴っていることもしばしばあります。脳症とは脳内に浮腫が生じるもので、嘔吐や呼吸・血圧の変化、意識障害やけいれんなどの引き金になる症状です。
バルトレックスを飲むとあらわれるその他の副作用
バルトレックスの副作用は、軽微なものから生命に影響を与える重大なものまでさまざまです。
その他の副作用として、以下のような症状についても報告されています。これらの症状が明確に現れた場合、服用をやめる、量を減らす、医師に相談するなどの適切な対応が必要です。
- 肝機能検査値の上昇
- 過敏症
肝機能検査値
発症する頻度が0.5%以上と比較的高く、注意が必要なのは肝機能検査値が上昇することです。

過敏症
頻度は0.5%未満とそれほど高くありませんが、過敏症に悩まされる可能性もあります。
アレルギーも過敏症の一種とされます。中でも厄介なのが光線過敏症です。この病気は太陽の光を浴びると、皮膚に炎症やかゆみを伴う発疹が発生するのが特徴といわれています。